0052 「社会保険労務士を目指すまで」

はじめまして。板橋生まれ、板橋育ちで、昨年12月に社会保険労務士として登録をしました木村優汰と申します。今回、初めてコラムを担当させていただきます。まだまだ新人ではありますが、これまでの経緯や、社会保険労務士を志すに至ったきっかけについて書かせていただければと思います。

高校までは野球一筋で、勉強らしい勉強はほとんどしてきませんでした。大学に進学し、人生で初めてアルバイトをしたときのことです。初めてもらった給与明細を見て、「あれ?思っていた金額より少ない」と感じました。理由もよくわからなかったので、なんだこれは、と母に聞いたところ、少し呆れたように「FPでも取ったら?」と言われました。説明するのが面倒だったか、母自身もよくわからなかったかの二択です。

とりあえずFP3級に挑戦してみることにしました。大学受験以外で本気で勉強したことがなかった私にとって、想像以上に大変でした。「私も受けてみる」と言っていた母は、テキストすら開かず一発合格。説明が面倒だっただけだったのだと、このとき確信しました。私は落ちました。

悔しくて2回目、少し勉強量を増やして受験。それでも不合格。3回目も落ちました。なぜだ、と自分でも分からなくなりながら、4回目、5回目と受け続けました。年に3回試験があることだけが救いでした。「まだ受けてるの?」と言う母に、「受かるまで受ける」と宣言し、6回目。ようやく3級のテキストを閉じる日がやってきたわけです。

しかし合格した途端、なぜか手元には2級のテキストがありました。3級とはレベルがまったく違いましたが、「3級を6回受けた男だ」という謎の自信で挑み、3回目で合格しました。

その頃、私は大学を卒業し、営業販売の仕事をしていました。小さな会社を経営している母からは、「ちょっと聞きたいんだけど」と年金や保険の質問をされることもありましたが、きちんと答えられない自分がいました。一方で、仕事を通じてさまざまな立場の人と接する中で、働く環境や制度が人の行動や安心感に大きく影響していることを実感していました。自分が理解できていない制度を、誰かに分かりやすく伝えられる立場になりたい。そう考えるようになり、社会保険労務士を目指すようになりました。

とはいえ、人事労務も事務も未経験、資格もなし。採用してくれる事務所は皆無で、心が折れそうになっていましたが、ようやく「未経験でもいいよ」と言ってくれた社労士法人に拾っていただきました。社会保険労務士試験は3回目で合格。FPの受験回数も合わせると、実に12回目でした。そのころにはもう受験票に貼る顔写真も、すっかり余裕の表情で撮れるようになっていました。合格発表の日、事務所で自分の番号を見つけた瞬間、同僚たちが一緒に喜び、泣いてくれました。

ちなみに、この話の発端でもあり、今もなお最大の質問者である母は、私が社会保険労務士になった今でも相変わらず、月額変更や算定基礎といった質問をしてきます。私が答えに詰まると、「じゃあいいよ、顧問の先生に聞こーっと」と言って去っていきます。だったら最初から顧問の先生に聞いてくれ、と思いながら、その背中を今日も見送っています。

LIB社会保険労務士事務所

木村優汰

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