板橋区立高島第三中学校で出前授業を行いました【2024年11月15日】

2024年11月15日、板橋区立高島第三中学校で職場体験を迎える8年生を対象に東京都社会保険労務士会板橋支部による出前授業を行いました。

今回は、社会で自立して生きていく上で必要な知識とルールを早期に身につけ、職場体験学習に意欲的に取り組む姿勢を育むことを目的として実施されました。

また、授業は「社会保障編」「労働編」の2コマで、4クラス同時開催です。

目次

板橋区立高島第三中学校での授業の様子( 社会保障編)

1組の社会保障担当は山本さんです。 生徒達はとても集中して聞いてくれて、クイズにも元気に手が上がりました。

年金がなかったらどうしたらいいか、と言う質問にはグループで話し合いました。いろんな回答が出て「ギャンブル!」「えーっ!?」「なんだよそれ~(笑)」など声が上がり、楽しく進んでいきます。

貯める、働く、借りるなどさまざまな選択肢が発表されましたが、あって当然と思っていた年金が「ない」場合を考えることで、年金について考えるきっかけになったようです。授業後のアンケートにも年金がなかったら大変だと思うという回答をした生徒が数名いました。

グループディスカッションの発表の後に、公的年金は老後の生活を支える土台ですと伝えて、老齢年金を受給する条件などの仕組みについて説明すると、生徒達は真剣に耳を傾けていました。

後半に健康保険の説明を少ししました。生徒のみなさんは自分が病院にかかったときの自己負担がないことを知っていたので、なぜ無料で済むのか、その仕組みを説明しました。住んでいる自治体で子どもの医療費助成が違うということを伝えたら、意外だったようです。

2組の社会保障担当は林さんです。

中学生への講師は初めてでしたが生徒皆さん、とても前向きに授業を受けてくれました。
「年金制度は何歳から受けることができるのか?」という質問には皆さん65歳と正解を答えてくれました。

年金保険料の月額は「高い」という声もあがり、年金制度スタート時の保険料額のヒントを出して質問すると、正解の「100円」と回答してくれた生徒もいました。

今後の年金制度についてのグループディスカッションでは、「お金」の大切さや社会全体で生活に必要な物を分け合いたい等という意見もでました。

11月30日(イイミライ)は「年金の日」。生徒皆さんと学べることはとても良い経験となりました。

3組の社会保障担当は杉本さんです。

まだ身近ではないであろう年金の話にも、真剣に耳を傾け、クイズや質問・グループワークでは、的確で時にはユーモアのある意見を発表する素晴らしい生徒さん達でした。

老齢年金受給開始年齢クイズで60歳、65歳、70歳と答えが分かれたので、原則は65歳です、でも原則ということは?と問うと、「例外がある!」とすぐさま反応してくれたので、繰上げ繰下げの話と共に全員正解としました。

4組の社会保障担当者は玉井さんです。新しく誕生した東京都社労士会の公式キャラクターのシャロロンTシャツで登壇しました。

自分達も大学生になったら、第1号被保険者になって国民年金保険料を月16,980円も払う、というところでは、クラスにどよめきが・・・
それゆえに、学生納付特例制度への関心度が非常に高かったです。

職業ごとに、何号被保険者にあたるか、クイズをしました。ほとんど皆さん正解でしたが、
国会議員は難しかったようです。

板橋区立高島第三中学校での授業の様子(労働編)

1組の労働編担当は岡田さんです。

実はこの日が講師デビュー。発表の段階では生徒が手を挙げてくれるか不安でしたが、積極的で、しかも面白い発想の発言が多く、講師の表情もすぐに柔らかくなりました。

岡田さん曰く、とにかく楽しい方が良いと、盛り上げるような感じでと意識しましたが、生徒達の反応が良く、想定以上にうまく進められたかなとのこと。生徒と一緒に授業を作り上げ、充実した時間でした。

生徒のみなさんは思っていたより遥かに知識があって驚きましたが、今回の授業で正確な知識として記憶に残ってもらえればと、この活動への思いを強くしました。

先生にもアルバイトの経験をお話ししていただき、「当時の時給は600円くらいでした」というお話に生徒が「やすっ!!」とそろって反応しているのも微笑ましく、ぜひ、今後の最低賃金の動向にも注目してもらいたいです。

2組の労働編担当は羽田さんです。

生徒たちはきちんと話が聞けるだけでなく、発言も積極的で素晴らしかったです。

参加意識を高めるため、全員が手を挙げて発表できるようにし、生徒が発表した後は全員で拍手してもらいました。

3組の労働編講師は三原さんです。

生徒たちは、とても礼儀正しく、熱心に話を聞いてくれました。控えめなクラスと伺っていたので、グループワークの進め方に工夫が必要かと思いましたが、いざグループワークが始まると積極的に参加し、考え方もしっかりしていて感心しました。

特に、「働くことで得られるもの」の2分間グループワークでは、「お金」「夢」のほかに「判断力」「上司からの信頼」「社会的地位や信用」を挙げるなど発想が豊かでした。

これらは、ひとえに日頃の先生方のご指導の賜物であると思います。アンケートでは「賃金」に関する項目に加えて「職場体験に向けての大切なこと」にも関心が寄せられていました。今回の出前授業が生徒さんたちにとって社会に出た時に少しでもお役に立てば嬉しいです。

4組の労働編講師は三橋さんです。

生徒さんは、大変積極的でいろいろな知識を持っていました。今回はクイズを増やしましたが、生徒達がどんどん核心をついた回答をしてくれたので危うくネタ切れになりそうでした。嬉しいやら焦るやらで講師は内心大変です。

先生も大変協力的で楽しく授業ができました。

生徒達としっかり対話しながらやっていくこと、説明資料以外の興味を引くネタをいろいろ用意する必要などが大事だと改めて感じ、授業を担当する社労士のやる気がさらに高まった日となりました。

授業後のアンケート(社会保障編)

授業後にアンケートを実施したところ、以下のような回答をいただきました。

授業の内容はわかりましたか?

99.1%の方から「わかった」と回答をいただきました。

授業を受けて社会保障に対する興味は高まりましたか?

87.9%の方が、授業後に「社会保障に対する興味が高まった」と回答をいただきました。

興味を持った話、もっと聞きたかった話は何ですか?

1位:年金はいくらもらえるか
2位:年金保険料はいくら支払うか
3位:ちょっとした豆知識 諸外国の健康保険制度

という結果になりました。

印象に残っていること、感想や意見など

  • 国によってかかる医療費がこんなにも違うのかと驚いた
  • 社会に関する保険などをこの授業で学べてこれからの保険適用がどのようにすればあるということがわかって少し安心できた。
  • 海外では入院とかするときに莫大なお金がかかることがわかった。だけど日本は他の国と比べると入院費とか安いので日本はいい国だと思った。
  • 年金についてわかりやすく説明されていてとてもわかりやすかったです。
  • 自分には関係ない話だと思ったけど保険に入ったら病気になったときに高校生まで負担がないことにびっくりした。
  • 社会保障制度には様々なものがあり年齢やその人の健康の問題まで気にしていて日本の良い取り組みを知った。その反面、問題なども多くあることを学んだ。
  • 医療費が他の国だと全然値段の差があってびっくりしました。年金は年々一人あたりの負担する金額が高くなっていて、もっと興味が深まりました
  • 年金は一種類だけだと思っていたけど、他にもあることを知り困っている人を助ける制度がたくさんあることを学んだ。
  • 初めて聞いた話が多く、難しいとは思いましたが、具体的な数値やデータを示してくれたのでわかりやすかったです。
  • 自分が思っていた年金制度とは少し違っていたので正しい年金制度について知ることができてよかった。日本は外国に比べて保険の金額や入院するときのお金の量がとても違っていたので恵まれている国だということを改めて知った。

授業後のアンケート(労働編)

授業後にアンケートを実施したところ、以下のような回答をいただきました。

授業の内容はわかりましたか?

98.3%の方から「わかった」と回答をいただきました。

授業を受けて働くことに対する興味は高まりましたか?

97.4%の方が、授業後に「働くことに興味が高まった」と回答をいただきました。

興味を持った話、もっと聞きたかった話は何ですか?

1位:最低賃金
2位:深夜労働時間と割増賃金
3位:時給に差がつく理由は何か

という結果になりました。

印象に残っていること、感想や意見など

  • 働くのにも、決められた時給や時間などのルールがたくさんあることを知った。
  • 働くことに対しての労働者としての態度や誠実さが大切だと学んだ。職場体験では教えていただいたことを心がけて頑張りたいです。
  • 労働時間に縛りがあるのは知っていたけど、具体的な時間は知らなかったのでしれてよかったです。
  • 僕達はこれから高校生になってアルバイトをする年齢に近くなってくるので今日習ったことを活かして労働していきたいなと思いました。
  • 働くことで人脈が広がったり、新しいことに出会えたりするので、将来アルバイトなどを通して仕事について学ぶことができたらいいと思いました。
  • 大事なのは、礼儀やコミュニケーションや挨拶などが大事と言う事が分かった。職場体験でも活かしていきたい。
  • 時間を長くすれば時給は上がるものだけれど、その分自分に負荷がかかってしまうものなので効率よくアルバイトしたらいいとわかった。
  • 最低賃金について興味を持ちました。外国はどうなのかと考えました。
  • たくさん働けばもらえる収入はアップするけど、時間帯は決まっているので、工夫して働くことが大切だと知った。
  • 最低賃金は地域によって異なることを知って驚いた。

まとめ

今回が令和6年最後の出前授業になりました。4月以降初めて職場体験前の8年生を対象に4つの中学校で授業を行って来ましたが、各校で素晴らしい生徒さんとの交流を持ち、楽しく授業を進めることが出来ました。

グループディスカッションでは皆さんの発想の豊かさ、鋭い観察力等に驚かされる場面が多々ありました。生徒の皆さんが実際職場体験をされ、一つでも授業で聞いたことが参考になったことを願っています。

東京都社会保険労務士会板橋支部では、子どもたちが社会で自立し生きていく上で必要な知識とルールを早期に身につけ、自分を守り、働くことで社会に貢献する意義を学んでもらうことを目的に学校教育活動を実施しております。

社会保険労務士の専門的な視点から、わかりやすく、また生徒とコミュニケーションを取りながらお話しいたします。興味のある板橋区の学校関係者様は、下記の連絡先までお気軽にお問合せください。

問い合わせ先
東京都社会保険労務士会 板橋支部 学校教育委員会
Mail:edu@itabashi-sr.jp  

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