2024年9月6日、板橋区立志村第五中学校で職場体験を迎える8年生を対象に東京都社会保険労務士会板橋支部による出前授業を行いました。
今回の出前授業は、学校側からの要望で「労働編」と「社会保障編」の2コマに分けての実施です。3クラス同時に授業を行ったため、総勢9名の社会保険労務士が講師として参加しました。
板橋区立志村第五中学校での授業の様子(労働編)
労働編では「働くことで得られるもの」をテーマに、質問やディスカッションを交えながら、労働基準法や最低賃金、雇用契約について学んでもらいました。
1組の労働編の講師は髙木さん、補助講師は玉井さん、林さんです。
生徒たちは、熱心に授業に耳を傾けていました。
ディスカッション後の発言も的確なものが多く、講師陣も感心していました。
質問コーナーでは、生徒から「社会保険労務士のやりがいは?」と聞かれ、講師陣がそれぞれ社会保険労務士のやりがいをお話しました。
社会保険労務士に少しでも興味を持ってもらえて、東京都社会保険労務士会板橋支部としては嬉しい限りです。
2組の労働編の講師は千賀さん、補助講師は三橋さん、西村さんです。
「働くことで得られるものは何ですか?」という問いに、面白い意見大歓迎としたところ、”恋愛”などの回答が出ていました。
講師である千賀さんが積極的に生徒とコミュニケーションを図り、意見を引き出していきます。
労働編の最後に、担任の先生が過去にやっていたアルバイトの話をすると、生徒たちは真剣にその話を聞いていました。
その様子から、生徒たちが「働くこと」に関心が高まっているのが感じ取れました。
3組の労働編の講師は杉本さん、補助講師は関口さん、羽田さんです。
ディスカッションが盛り上がり、生徒たちが積極的に答えてくれました。
補助講師の関口さん、羽田さんが生徒たちからどんどん意見を引き出し、活発に意見が交わされていました。
生徒の中には席を立って質問する方もおり、労働編の授業にとても興味を持っていました。
板橋区立志村第五中学校での授業の様子(社会保障編)
社会保障編では、「社会保障ってどんな制度?」をテーマに、公的年金の仕組みや給付、少子高齢化の影響などを学んでもらいました。
1組の社会保障編の講師は玉井さん、補助講師は髙木さん、林さんです。
「年金制度を維持するにはどういった解決策がありそうか?」という問いに「「70歳まで働いて保険料を支払い、70歳から年金を受け取る」」と答えてくれた生徒がいました。この答えに、大人たちから大きな拍手が起こりました。
YouTuberやスポーツ選手が年金の何号被保険者になるのかという質問で、将来自分のなりたい職業がどれに当てはまるか考えながら年金制度について学んでいました。
2組の社会保障編の講師は三橋さん、補助講師は千賀さん、西村さんです。
講師の三橋さんがグループディスカッションを工夫した効果もあり、生徒たちの議論が活発になっていました。
「少子高齢化社会対策として何ができる?」という問いには「出産減税」や「海外からの労働者受け入れ」など、想像以上に中学生が社会に対して敏感なことに驚きました。
3組の社会保障編の講師は関口さん、補助講師は杉本さん、羽田さんです。
現在、年金をもらっている関口さんと保険料を納めている先生、これから保険料を納める生徒という立場を例に年金制度を解説していました。
関口さんからの「数年後には皆さんが先生の年金を支える立場になります」という言葉を聞いて、生徒たちは真剣に授業を受けていました。
授業後のアンケート(労働編)
労働編の授業後のアンケートでは、以下のような回答をいただきました。
授業の内容はわかりましたか?
98.9%の方から「わかった」と回答をいただきました。
授業を受けて働くことに対する興味は高まりましたか?
92.5%の方が、授業後に「働くことに興味が高まった」と回答をいただきました。
興味を持った話、もっと聞きたかった話は何ですか?
1位:働くことで得られるもの
2位:深夜労働時間と割増賃金
3位:最低賃金
という結果になりました。
印象に残っていること、感想や意見など
- 労働者の義務が思ったより多くてびっくりした
- 社会に出て、たくさんの義務や法律があることを知ってとても面白かった
- 講師の方の説明や態度が明るくて楽しみながら学ぶことができた
- 同じ仕事でも働く日にちや時間で賃金が変化するということを初めて知り、印象に残りました
- 最低賃金を初めて知って、お店のアルバイト代を改めてしっかりみてみたいと思った
- 最低賃金が上がったことや報・連・相なども知れたのでとても有意義な時間を過ごせました
- 働く場所によって、最低賃金が違うということや、職場体験などに行くにあたってあいさつが一番大切であるということ
- 一日の労働時間は8時間、一週間の労働時間は40時間だということを知って、それを守って無理なく、楽しく、やりがいを持って働きたいと思った
- 働き方を変えれば、貰える金額も上がるのでいろんな考え方・視点から仕事を頑張りたいなと思った
- 労働するにあたっての決まりなどをよく知らなかったので知ることができて良かった
- 働くことでお金だけではなく、達成感ややりがいなどが得られるということ学ぶことができた
授業後のアンケート(社会保障編)
社会保障編の授業後のアンケートでは、以下のような回答をいただきました。
授業の内容はわかりましたか?
98.1%の方から「わかった」と回答をいただきました。
授業を受けて社会保障に対する興味は高まりましたか?
難しい内容だったにもかかわらず、88.4%の方が「興味が高まった」と回答をいただきました。
興味を持った話、もっと聞きたかった話は何ですか?
1位:学生納付特例制度
2位:年金制度・諸外国の医療費
3位:老齢年金
という結果になりました。
印象に残っていること、感想や意見など
- 年金のことはあまり詳しくなかったから今回の授業を通して知れてよかった
- 年金にも色んな種類があることを知れた
- 年金制度を続けるための議論が一番印象に残りました
- 自分が保険料を払うときに今日学んだことを活かしていきたいと思いました
- 入院でのアメリカの医療費が高くてとても驚きました
- あんなに月でお金を払わないといけないなんてびっくりした
- 社会保障について興味が上がりました
- 年金をどれくらい収めることになるのか、学生はどうなるのかなどがわかりました
- 年金は名前を聞いたことある程度だったので、年金の制度や仕組みについて知れて良かった
- 学生納付特例制度というのがあることが分かった。私は、大学まで行きたいと思っているので、この制度を使って生活したいと思った
- 外国と日本の健康保険制度が印象に残った
- 身近にこういったことをお教えてれる人があまりいないから、今回の授業をと通して触れることができてとても良かったと思います
- 年金は昔自分が払ったお金が戻ってきているわけではないことを知って驚いた
- 学生納付特例制度という制度は初めて知ったので、とてもためになりました
- 海外とは金額も質も違うということに驚いた。また外国で治療を受けても金額が日本の値段で受けれることにびっくりしました
- 年金というものは高齢者等だけでなく、障害年金や遺族年金など様々な年金があることがわかりました
まとめ
今回は労働編と社会保障編の2コマで授業を行いました。労働法や社会保障制度という難しい内容でしたが、生徒たちが思った以上に興味を持っていただき、東京都社会保険労務士会板橋支部としても「やりがい」を感じる時間となりました。
東京都社会保険労務士会板橋支部では、子どもたちが社会で自立し生きていく上で必要な知識とルールを早期に身につけ、自分を守り、働くことで社会に貢献する意義を学んでもらうことを目的に学校教育活動を実施しております。
社会保険労務士の専門的な視点から、わかりやすく、また生徒とコミュニケーションを取りながらお話しいたします。興味のある板橋区の学校関係者様は、下記の連絡先までお気軽にお問合せください。
問い合わせ先
東京都社会保険労務士会 板橋支部 学校教育委員会
Mail:edu@itabashi-sr.jp